大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)1929 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人田代源七郎の上告趣意第一点について。

所論前段は、原審が被告人に同意の有無を確めないで書証を取調べた上有罪認定

の資料としたことは、引用の当裁判所判例と相反する判断をしたものであるという

のであるが、原判決が弁護人奥村仁三の控訴趣意第一点の(イ)に対する判断にお

いて挙示した証拠中差戻前の原審証人Aに対する尋問調書、差戻後の原審公判調書

中の同人の供述記載は刑訴三二一条二項により、また差戻後の原審第三回公判期日

において取調済の被告人に対する司法警察官の第二回供述調書中の関係部分の供述

記載は刑訴三二二条により、いずれも被告人の同意がなくても証拠とすることので

きる書面であつて、これらの証拠により判示事実は認定し得られるのであるから、

原判決には違法はなく、前記判例は本件の場合に適切なものではない。されば、原

判決は少しもこれと相反する判断をしたものではない。なお、所論後段は量刑不当

の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

同第二点について。

原判決が引用した第一審判決第一の(ニ)の事実には「……右刀を懐中にしてい

ることをその態度に暗示し、同人の出よう如何によつては、同人の生命、身体に対

し、どんな危害を加えかねまじき態度を示し」と記されているので、「相手方に害

悪を告知する手段を施したものとは認められない」との所論は、原判示に副わない

主張であり、原判決には所論のような判例違反はない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

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る。

昭和三〇年二月二二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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